"LAND"への愛
こんにちは、喜名子です。
今日は旦那さんと知人を訪ねてきました。
同じ教会の人なのですが、そのお宅ではヤギの赤ちゃん(双子と三つ子)が生まれたということで、わぁ〜、見に行きたい…、という話をしていたら、ご主人が「これから来る?」と。
突然のことで申し訳なかったのですが、ありがたくお邪魔してきました。
ヤギは思っていた以上に人懐こくてびっくり。
赤ちゃんは小さくて、温かくて、ふわふわ😍
これは可愛いわ…とすっかり魅了されてしまいました。
お母さんヤギは「撫でて」など、自己主張があって、それもまた可愛かったです。
そしてヤギを見せてくれただけでなく、知人夫婦は素敵なお家の中や、牛を放牧している広大な敷地も案内してくれたのでした。
家は緑の丘の上に建てられていました。
もちろん、家の中からの眺めは最高です。
森が点在する緑の丘はフェンスで区画が分けられているのですが、周囲をざざっと見て、それが全てこのお宅の敷地だという。
いかにもアメリカの田舎。
大きさもケタ違いだな、すごい、羨ましいなぁ…
見た目は普通のおじさん(チェックのシャツにジーンズ、サスペンダーで吊っています)なんだけど、実は大金持ちなんだろうか…
なんてひそかに考えていたのですが、敷地内を4輪バギーで回って話を聞いているうちに、それがピントのずれた考えだったのに気が付きました。
私が住んでいる地域は、土地の起伏があるし、石がゴロゴロしていて、何か植物を植えようとしても、まず穴を掘るのが大変、という土地柄です。
おまけにオークの木がびっしりと生えていて、開けた区画を作るには、まず木を切って、さらにその切り株をどうにかする必要があります。
切り株の処理は本当に大変です。
知人夫婦が暮らしている、そのなだらかな緑の丘。
それは彼らがそれこそ1本1本木をチェーンソーで切り、切り株をブルドーザーで掘り出し、燃やし、トゲだらけのブラックベリーの茂みもトラクターで処理し、池を作り、と本当に気の遠くなるような作業を経て、2人で作り上げたものだったのです。
広大な土地には泉も池もクリークもあり、自然のままのオークの森も残されています。
起伏のある土地を活かした景観は、手をかけて維持されているものでした。
何10年もかけて、今でも彼らは毎日、敷地のどこかで作業を続けています。
「でもね、本当に楽しいの。ここは私達にとって、天国なの。旅行に行かなくたって、ここにいるだけで幸せ。私の願いは、この家で死ぬことなんだから」
2人は70代半ばなのですが、奥さんも自分で4輪バギーを運転するし、毎日動物達の世話に趣味のキルト作りにと、大忙しの毎日を送っているようでした。
「この切り株、もう7年も思いついた時に燃やし続けているんだけど、まだまだ時間がかかるなぁ」
そう言って笑ったご主人。
今日、私が見つけたものは、愛する土地に暮らす喜びでした。
自分達で長い時間をかけて、手をかけて思う土地に整えていく。
その過程を愛し、作り上げた"LAND"を愛し、日々の暮らしを愛し…。
そんな愛がオークの木と石だらけの土地を緑の丘に変え、2人の天国を作ったのでした。
こうして、彼らの暮らしに強い印象を受けて帰ってきました。
明日はきっと、夫も私も、それぞれの道具を手にして、土地のために働くでしょう。
いつか私達も、「ここが天国」と、そう胸を張って言える、そんな日を楽しみに。
☆今日も読んでくださってありがとうございました☆
喜名子(きなこ)
☆Kindleで本を出しています
国際恋愛の先にあるビザ手続き、夫や家族との関係、海外移住。国際結婚したその先が見えてくる
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